Google Workspace

Google Workspaceでできることは何か？という問いに対して、日々のコミュニケーションからドキュメントの共同編集、会議、ファイル共有、セキュリティ/コンプライアンス、そして自動化まで“業務の土台”を一気通貫でカバーできる点が最大の強みです。

本記事では管理者/利用部門の双方の観点で、導入前に押さえておくべき機能と活用の勘所、移行の進め方をまとめます。

Google Workspaceでできること（概要）

メール（Gmail）、予定（カレンダー）、会議（Meet）、チャット（Chat/スペース）のコラボ基盤を標準提供。ドキュメント/スプレッドシート/スライド/フォームの共同編集と、ドライブでの共有・権限管理により、最新情報に全員がアクセスできます。

管理面では、ゼロトラスト前提のアクセス制御、端末の基本的なMDM、ログ/監査、データ保持（Vault）、DLPなどを組み合わせ、情シスの運用負荷を抑えつつ統制を効かせられます。

Gmail・カレンダー・Meet・Chatが密に連携し、会議の作成、出欠、資料共有、議事メモ作成までをひとつの体験として完結できます。Meetの録画やノイズ抑制、カレンダーの予約枠、Chatのスペース運用により、全社の情報連携を標準化します。

ドキュメント/スプレッドシート/スライドはリアルタイム共同編集、コメント/提案モード、バージョン履歴でレビューを高速化。共有ドライブとアクセスレベルを使い分けることで、部門・プロジェクト単位の情報境界を明確にできます。

社外共有時はリンク共有のスコープやダウンロード制限を活用し、情報漏洩のリスクを最小化します。

2段階認証（TOTP/セキュリティキー）やコンテキストアウェアアクセスにより、ユーザー・端末・ネットワークの条件に応じたきめ細かなアクセス制御が可能です。

Google Vaultでメール/Chat/ドライブの保管・保持ポリシー・eDiscoveryに対応。DLPやアラートルールを使い、機微情報の持ち出し検知/抑止を運用に組み込みます。

組織部門（OU）/グループ単位でポリシーを配布し、アプリ有効化、共有設定、外部共有、認証強度、メールルーティングなどを一元管理。監査ログを定期レビューし、運用ガイドラインへ反映します。

端末は基本的なMDM/ブラウザ管理（Chrome）を併用し、端末紛失時のアカウント保護やセッション制御を行います。

Apps ScriptでGmail/カレンダー/ドライブ/スプレッドシートを横断した自動化（承認通知・レポート生成・定期リマインド）を実装可能。Chatボットやアドオンで現場に近い改善を継続できます。

AppSheetを使えば、ノーコードでモバイル対応の業務アプリを短期間で構築し、データ収集やワークフローを標準化できます。

SAML SSO・SCIM連携により、主要なSaaSの認証/ユーザーライフサイクルを統合。Salesforce、Slack、各種IDaaS、SIEMなどと接続し、全社のIT基盤としてのハブを構築します。

Business（Starter/Standard/Plus）からEnterpriseまで、ストレージ容量、保持/監査、DLPやセキュリティセンターなどの機能が段階的に強化されます。

PoC段階では必要最低限の機能から開始し、保持やDLPなどの統制要件が増えた段階で上位プランを検討するのが現実的です。最新の提供範囲は公式サイトで確認してください。

既存メールのアーカイブ/保持ポリシーを棚卸しし、Google Vaultの保持期間/対象範囲を定義します。段階的なデータ移行（MX切替のドレスリハーサル含む）でリスクを低減します。

IDaaS連携・2段階認証の必須化・セキュリティキー配布を同時並行で進め、初日から統制された運用を実現します。トレーニング計画とヘルプチャネル整備で定着を支援します。

Q. Google Workspaceでできることの中で、まず押さえるべき領域は？ A. メール/予定/会議の一体運用と、ドキュメント共同編集・共有ドライブの設計です。

Q. セキュリティ面は十分？ A. 2段階認証、コンテキストアウェアアクセス、Vault、DLP、監査ログなどでゼロトラスト前提の運用が可能です。

Q. 自動化はどの程度可能？ A. Apps ScriptやAppSheetで、通知/承認/集計など現場の定型業務をノーコード/ローコードで自動化できます。